天児屋命

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名前
  • 天兒屋命【日本書紀】(あやね, あまやね)天児屋命
  • 中臣神【日本書紀】(なかとみ)中臣神
  • 天兒屋根命【新撰姓氏録抄】(あやね)天児屋根命
  • 天乃古矢根命【新撰姓氏録抄】(あやね
キーワード
  • 中臣連(なかとみのむらじ)遠祖【日本書紀 巻第一 神代上第七段】
  • 中臣上祖【日本書紀 巻第二 神代下第九段 一書第一】
  • 中臣連等之祖【古事記 上巻】
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  • 後裔は左京藤原朝臣(ふじわらのあそみ)・左京中臣大家連(なかとみのおおやけのむらじ)校異:中臣大家臣・左京中村連(なかむらのむらじ)・摂津国津島朝臣(つしまのあそみ)・摂津国椋垣朝臣(くらかきのあそみ)・摂津国荒城朝臣(あらきのあそみ)・河内国菅生朝臣(すごうのあそみ)・河内国中臣連(なかとみのむらじ)・和泉国宮処朝臣(みやところのあそみ)・和泉国狭山連(さやまのむらじ)・和泉国和太連(にきたのむらじ)校異:和大連・和泉国志悲連(しいのむらじ)校異:志非連・和泉国蜂田連(はちたのむらじ)・和泉国殿来連(とのきのむらじ)・和泉国大鳥連(おおとりのむらじ)・和泉国中臣部(なかとみべ)・和泉国民直(みたみのあたい)・和泉国許連(このむらじ)評連(こおりのむらじ)、または許麻連(こまのむらじ)の誤りと解釈するものあり。・和泉国畝尾連(うねおのむらじ)・和泉国中臣表連(なかとみのうえのむらじ)・右京大鹿首(おおかのおびと)【新撰姓氏録抄 当サイトまとめ】
  • 中臣連等祖【先代旧事本紀 巻第一 神代系紀】
性別
男神
  • 興台産霊こごとむすひ【日本書紀 巻第一 神代上第七段 一書第三, 先代旧事本紀 巻第一 神代系紀】
    • 神産霊神かみむすひのかみ【古語拾遺 神代段】
先祖
  1. 興台産霊
    1. 市千魂尊
      1. 津速魂尊
  • 天押雲命あめのおしくものみこと【新撰姓氏録抄 第二帙 第十一巻 左京神別上 天神 伊香連条 細字】
称号・栄典とても広〜い意味です。
  • 三十二人の防衛【先代旧事本紀 巻第三 天神本紀】
  • 五伴緒いつとものお五部神いつとものおのかみ【古事記 上巻, 日本書紀 巻第二 神代下第九段 一書第一】
出来事
  • 天照大神天石窟(あめのいわや)にこもった際に、太玉命と共に、天香山(あめのかぐやま)五百箇真坂樹(いおつのまさかき)を根掘じにして、上枝には八坂瓊(やさかに)五百箇御統(いおつのみすまる)をかけ、中枝には八咫鏡(やたのかがみ)(あるいは真経津鏡(まへつのかがみ)という)をかけ、下枝には青和幣(あおにきて)白和幣(しろにきて)をかけて、皆と祈祷した。
    その後、外で笑い騒いでいるのを覗こうとした天照大神の手を手力雄神が引いて外に出すと、太玉命と共に、しめ縄を引き渡し、「お戻りになられてはいけません」と言った。

    【日本書紀 巻第一 神代上第七段】
    • 日神尊が天岩窟にこもった際に、神祝(かむほぎ)をのべる。

      【日本書紀 巻第一 神代上第七段 一書第二】
    • 日神が天岩窟にこもった際に、天香山(あめのかぐやま)真坂木(まさかき)を根こじにして、上枝には己凝戸辺が作った八咫鏡(やたのかがみ)をかけ、中枝には天明玉が作った八坂瓊(やさかに)曲玉(まがたま)をかけ、下枝には天日鷲が作った木綿(ゆう)をかけ、太玉命に持たせて、広く厚く称えごとを述べて祈らせた。
      そして素戔嗚尊に沢山の捧げ物を贖罪とし、手の爪を抜き、足の爪を抜いた。そして天児屋命は、その祓いの祝詞を読んだ。

      【日本書紀 巻第一 神代上第七段 一書第三】
    • 布刀玉命と共に、天香山(あめのかぐやま)の牡鹿の肩骨を丸抜きにし、天香山の天之朱桜(あめのははか)を取って占った。
      また天香山の五百津真賢木(いおつまさかき)を根ごと掘って、上枝には八尺勾璁の五百津の御統の玉をかけ、中枝には八尺鏡(やたのかがみ)をかけ、下枝には白丹寸手(しらにきて)青丹寸手(あおにきて)を垂れかけた。
      また祝福の祝詞をあげた。

      天照大御神が天石屋戸をわずかに開いた時に、「私が隠れて天原は闇に包まれ、また葦原中国もすべて闇に包まれたでしょう。なのになぜ天宇受売命は歌舞いをして、また八百万の神々は笑っているのだろう」と。そこで天宇受売命は「あなた様より貴い神がおられるのです。それで喜び、笑い、楽しんでいるのです」と言った。このように言っている間に、天児屋命と布刀玉命はその鏡を指し出して天照大御神に示した。

      【古事記 上巻】
    • 太玉命と共にその祈禱し、天照大神天石窟(あめのいわや)から出たときに、太玉命と共に日御綱(ひのみつな)今斯利久迷縄(これは日影の像である)を、その殿に引き巡らす。

      【古語拾遺 神代段】
    • 天太玉命・天児屋命は共にその祈り称えた時、また天鈿売命は天香山の真坂樹を鬘とし、天香山の天日蘿(あめのひかげ)を襷に掛け、天香山の笹の葉を手草とし、手に鐸を付けた矛を持って、天石窟戸の前に立ち、庭火を上げて、巧みに踊った。かがり火を焚いて、桶を伏せ置き、その上で登って音を轟かせた。神懸かりしたように話し、胸乳をかき出して、裳の緒を陰部まで押し下げた時、高天原が鳴り響くほどに八百万神の皆が笑った。
      時に天照太神は中で一人思って言うには、「私が幽居してからは天下は闇く、葦原中国はきっと長い夜となっているだろう。しかしなぜ天鈿売命は楽しそうに笑い、八百万神も皆が笑うのだ」と。不思議に思い、わずかに岩戸を開けて、このように尋ねると、天鈿売命は「あなた様より貴い神がおられます。それで喜び、笑い、楽しんでいるのです」と答えた。このように言って、天太玉命と天児屋命が、その鏡を差し出し、天照太神に示した時に、天照太神はますます怪しんで、岩戸をわずかに開けて窺った。
      手力雄神はその手を引いて出し、その扉を引き開いて、新殿に移した。そして天児屋命・天太玉命は、その後ろの境に日御綱縄(ひのみつな)を廻らして掛け、端出之左縄(しりくめなわ)しめ縄。とした。

      八百万神は相談して、素戔烏尊に罪を負わせるために、千座の置戸を科して償わせた。そして髭・爪を抜いて、その罪を贖わせた。また手の爪を良い供え物とし、足の爪を悪い供え物とした。また唾を白和幣(しろにきて)とし、よだれを青和幣(あおにきて)とした。
      そして天児屋命に、その祓いの祝詞を上げさせた。世の人が自分の爪を他人に渡らないように気をつけるのは、これがそのもとである。

      【先代旧事本紀 巻第一 神祇本紀】
  • 日子番能邇邇芸命が天降るとき、天児屋命・布刀玉命天宇受売命伊斯許理度売命玉祖命の、合わせて五伴緒五族の長。を分け加えて天降らせた。

    【古事記 上巻】
    • 天照大神の命令で、五部神の一神として天津彦彦火瓊瓊杵尊に付き従い、葦原千五百秋之瑞穂国(あしはらのちいおあきのみつほのくに)に天降る。

      【日本書紀 巻第二 神代下第九段 一書第一】
    • 天児屋命は神事の源を司る神である。それで太占(ふとまに)の占いを以って仕えた。
      高皇産霊尊は勅して「私は天津神籬(あまつひもろき)天津磐境(あまついわさか)を立てて、我が孫の為に斎き祭ろう。お前たち天児屋命と太玉命は、天津神籬を持って葦原中国に降り、我が孫の為に斎き祭れ」と。そして二神を天忍穂耳尊に副えて降らせた。
      この時天照大神は手に宝鏡を持って、天忍穂耳尊に授けて、祝って言うには、「我が子がこの宝鏡を見るときは、私を見ることのようにしなさい。共に床を同じくし、部屋を一つにして、(いわい)の鏡としなさい」と。また天児屋命と太玉命に勅して「お前たち二神もまた、共に部屋の中に侍って、よく防護せよ」と。また勅して「我が高天原(たかまのはら)にある斎庭(ゆにわ)の穂を、我が子に与えなさい」と。そして高皇産霊尊の女の万幡姫天忍穂耳尊にあてて妃として降らせた。
      この時に空中で生まれた子を名付けて天津彦火瓊瓊杵尊という。そこでこの皇孫を親の代わりに降らせた。天児屋命・太玉命及び諸々の(とものお)の神を、皆すべて授けた。また衣服は、前例のとおりに授けた。その後、天忍穂耳尊はまた天に還った。

      【日本書紀 巻第二 神代下第九段 一書第二】
    • 天祖天照大神高皇産霊尊が互いに語り合って言うには、「葦原瑞穂国(あしはらのみずほのくに)は、我が子孫が王となるべき地である。皇孫が行ってよく治めなさい。宝祚(あまつひつぎ)の栄えること、天壌無窮であれ」と。
      そして八咫鏡と薙草剣の二種の神宝を皇孫に授け賜い、永く天璽(あまつしるし)とした。いわゆる神璽(みしるし)の剣・鏡がこれである。矛・玉は自ずと従った。
      そして勅して「我が子よ。この宝の鏡を見ることは、私を見ることと同じだと思いなさい。床を同じくし、殿を共にして、(いわい)の鏡としなさい」と。
      そして天児屋命・太玉命天鈿女命を副えて侍らせた。
      それでまた勅して、「私は天津神籬神籬者。古語比茂侶伎。(あまつひもろき)天津磐境(あまついわさか)を起こし立てて、我が孫の為に祝いましょう。お前たち天児屋命・太玉命の二神は、天津神籬を持って葦原中国に降り、また我が孫の為に祝いなさい。二神は共に殿の内に侍って、よく防ぎ護りなさい。我が高天原の斎庭(ゆにわ)の穂(これは稲種である)を、我が子に食べさせなさい。太玉命諸部(もろとものお)の神を率いて、その職に仕え奉ること、天上の儀のようにせよ」と。
      そして諸神を副えて従わせた。

      【古語拾遺 神代段】
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