彦波瀲武鸕鷀草葺不合尊

名前
  • 彥波瀲武鸕鷀草葺不合尊【日本書紀】(ひこなぎさたけうかやふきあえずのみこと, さたうかやふきあ, ひこなぎさたけうかやふきあわせずのみこと, さたうかやふきあはせず)彦波瀲武鸕鷀草葺不合尊
  • 天津日高日子波限建鵜葺草葺不合命【古事記】(あまつひこひこなぎさたけうがやふきあえずのみこと, あまつさたうがやふきあ, あまつひたかひこなぎさたけうがやふきあえずのみこと, あまつたかさたうがやふきあ
  • 彥波瀲武鸕鶿草葺不合尊【先代旧事本紀】(ひこなぎさたけうかやふきあえずのみこと, さたうかやふきあ)彦波瀲武鸕鶿草葺不合尊
  • 彥瀲尊【古語拾遺】)彦瀲尊
性別
男神
  • 彦火火出見尊ひこほほでみのみこと【日本書紀 巻第二 神代下第十段】
  • 豊玉姫とよたまひめ【日本書紀 巻第二 神代下第十段】
先祖
  1. 彦火火出見尊
    1. 天津彦彦火瓊瓊杵尊
      1. 正哉吾勝勝速日天忍穂耳尊
      2. 栲幡千千姫
    2. 鹿葦津姫
      1. unknown
      2. 大山祇神
  2. 豊玉姫
    1. 海神
    2. unknown
配偶者
  • 玉依姫たまよりひめ【日本書紀 巻第二 神代下第十一段】
  • 五瀬命いつせのみこと【日本書紀 巻第二 神代下第十一段】【母:玉依姫たまよりひめ
  • 稲飯命いなひのみこと【日本書紀 巻第二 神代下第十一段】【母:玉依姫たまよりひめ
  • 三毛入野命みけいりののみこと【日本書紀 巻第二 神代下第十一段】【母:玉依姫たまよりひめ
  • 神日本磐余彦尊かんやまといわれひこのみこと神武天皇じんむてんのう【日本書紀 巻第二 神代下第十一段】【母:玉依姫たまよりひめ
称号・栄典
出来事
  • 彦火火出見尊豊玉姫との間に生まれる。


    豊玉姫が出産する時、「私が産む時に、どうか御覧になりませんように」と請うたが、彦火火出見尊は耐えられず、密かに覗き見た。
    豊玉姫はまさに産む時に竜となった。そしてひどく恥じ、「もし私が辱めを受けなければ、海と陸は相通じ、永く隔てることは無かったでしょう。今は辱めを受けました。どうして睦まじく心を結ぶことが出来ましょう」と言って、(かや)で子を包んで海辺に棄てて、海路を閉じてすぐに去った。それで子を名付けて彦波瀲武鸕鷀草葺不合尊という。

    【日本書紀 巻第二 神代下第十段】
    • 豊玉姫はゆっくり語って「私はすでに妊んでおります。風波が速い日に海辺に出ます。どうか私の為に産屋を造ってお待ち下さい」と。
      この後、豊玉姫は果たしてその言葉のようにやって来て、火火出見尊に「私は今夜産みます。どうか御覧にならないで下さい」と言った。火火出見尊は聞かずに、櫛に火を灯して見た。豊玉姫八尋大熊鰐(やひろわに)となって、這い回っていた。見られて辱められたのを恨み、すぐに海に帰ってしまった。
      その妹の玉依姫を留めて、子を養わさせた。子の名を彦波瀲武鸕鷀草葺不合尊というのは、その海浜の産屋に、鸕鷀()の羽を用いた屋根が葺き合う前に子が生まれたので、名付けたのである。

      【日本書紀 巻第二 神代下第十段 一書第一】
    • 臨月で、産む時が迫っていた。それで葺き合うのを待たずに、産屋に入った。そしてゆっくり天孫に「私の出産を、どうか御覧にならないで下さい」と言った。天孫はその言葉を怪しんで、密かに覗き見た。すると八尋大鰐(やひろわに)となっていて、天孫が覗き見たことを知って、深く恥じ恨んだ。子が生まれた後に、天孫に尋ねて「御子の名はいかがいたしましょうか」と。答えて「彦波瀲武鸕鷀草葺不合尊と名付けるのが良いであろう」と。言い終わると海を渡って去ってしまった。

      【日本書紀 巻第二 神代下第十段 一書第三】
    • 皇孫が従わなかったので、豊玉姫は大いに恨んで言うには「私の言葉を聞き入れずに、私を辱めましたね。だから今後は、私の奴婢があなたの所へ行きましても、お返しなされるな。あなたの奴婢が私の所へ来ましても返しません」と。遂に真床覆衾(まとこおうふすま)(かや)で、その子を包んで渚に置いた。そして海に入って去った。
      あるいは、子を渚に置いたのではなく、豊玉姫命が自ら抱いて去ったともいう。

      【日本書紀 巻第二 神代下第十段 一書第四】
    • 豊玉毘売命が自らやって来て、「私はすでに妊娠しておりまして、今が産む時期です。天神の御子を海原に生むのはよろしくないと思い、それで参ったのです」と言った。そしてすぐに海辺の渚に鵜の羽で葺いて、産屋を造った。しかしその産屋がまだ葺き合わないうちに、急な陣痛で耐えられなくなって産屋に入った。そしてまさに産む時、その夫に言うには「全て異郷の人は、産む時になると、本国の姿になって産みます。それで私も今、元の体で産みます。どうか私を御覧にならないで下さい」と。
      その言葉を不思議に思って、密かにその出産を覗くと、八尋和邇(やひろわに)になって、うねりくねっていた。これを見ると驚き恐れて逃げ去った。
      豊玉毘売命は、覗き見られてことを知って恥じ、その御子を生み置いて、「私はいつも海の道を通って、往来しようと思っておりました。しかし私の姿を覗き見られたことは、とても恥ずかしい」と言うと、すぐに海との境を塞いで帰ってしまった。
      こうして産まれた御子は天津日高日子波限建鵜葺草葺不合命という。
      しかしこの後、覗かれたことを恨めしく思っていたが、恋しい心に耐えられなかった。それでその御子を養育するという理由で、妹の玉依毘売を託して歌を献上した。

      【古事記 上巻】
  • 彦波瀲武鸕鷀草葺不合尊は姨の玉依姫を妃とした。
    生まれたのは彦五瀬命
    次に稲飯命
    次に三毛入野命
    次に神日本磐余彦尊
    全てで四男を生んだ。

    【日本書紀 巻第二 神代下第十一段】