- 名前
- 氏(ウジ):紀【日本書紀】(き)
- 名:小弓【日本書紀】(おゆみ, をゆみ)
- 紀小弓宿禰【日本書紀】(きのおゆみのすくね, きのをゆみのすくね)
- 小弓宿禰【日本書紀】(おゆみのすくね, をゆみのすくね)
- 性別
- 男性
- 没年月日
- 雄略天皇9年3月
- 父
白城宿禰 【日本書紀 巻第十四 雄略天皇九年五月条, 紀氏家牒逸文, 新撰姓氏録抄 第一帙 第十巻 和泉国皇別 坂本朝臣条】
- 先祖
- 配偶者
吉備上道采女大海 【日本書紀 巻第十四 雄略天皇九年三月条】
- 子
紀大磐 【日本書紀 巻第十四 雄略天皇九年五月条】【母:不明】
- 出来事
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雄略天皇9年3月
雄略天皇が紀小弓宿禰・蘇我韓子宿禰・大伴談連・小鹿火宿禰らに勅して「新羅は西の国にあって世を重ねて臣を称した。朝聘を違えることはなく、貢物も適当だった。朕が天下の王になってからは対馬の外に身を置き、跡を
匝羅 に隠して高麗の貢物を阻んで百済の城を呑み込んだ。また朝聘を欠いて貢物を納めることもない。狼の子のように野心があり、飽きては去り、飢えては近づく。お前たち四卿を大将に任ずる。軍を以って征伐して天罰を加えよ」と。紀小弓宿禰が憂え訴えて大伴室屋大連に言うには「私は拙いですが謹んで詔を承ります。しかしいま私の妻が死に際にあり、私を世話してくれる者がおりません。どうかこの事を詳しく天皇に申し上げて欲しい」と。
そこで大伴室屋大連は詳しく奏上した。
天皇はこれを聞いて悲しみ歎き、吉備上道采女大海を紀小弓宿禰に賜り、世話をさせるために自ら送り出した。紀小弓宿禰らは新羅に入って行く先々の郡を占領した。
新羅王は夜に四方から皇軍の鼓の音を聞いて喙 の地を全て占領されていることを知り、数百の騎兵と共に逃げ乱れて大敗した。
小弓宿禰は追撃して敵将を陣中で斬った。
喙の地は平定したが残兵は降伏しなかった。
紀小弓宿禰は兵を収めて大伴談連らと合流した。また兵を整えて残兵と戦った。夕刻、大伴談連と紀岡前来目連は力闘して死んだ。
談連の従者で同姓の津麻呂はその後、軍中に入って主を探した。
しかし軍中には見えず、「我が主の大伴公は何処においででしょうか」と尋ねた。
ある人が「お前の主は敵の手によって殺された」と告げて屍の処を指し示した。
津麻呂はこれを聞くと足を踏みならして叫び、「主は既に死んでしまった。何のために独りで生きなければならないのか」と言うと敵中に入って死んだ。しばらくして残兵は自ずと退いた。皇軍もまた退いた。
【日本書紀 巻第十四 雄略天皇九年三月条】
大将軍紀小弓宿禰は病気になって薨じた。 -
雄略天皇9年5月
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