日向髪長媛
- 名前
- 日向髮長媛【日本書紀】(ひむかのかみながひめ)日向髪長媛
- 髮長媛【日本書紀】(かみながひめ)髪長媛
- 髮長比賣【古事記】(かみながひめ)髪長比売
- 性別
- 女性
- 生年月日
- ( ~ 応神天皇11年12月29日)
- 没年月日
- (応神天皇13年9月1日 ~ )
- 親
諸県牛諸井 【日本書紀 巻第十 応神天皇十一年是歳条】
- 先祖
- 配偶者
仁徳天皇 【日本書紀 巻第十一 仁徳天皇二年三月戊寅条】
- 子
- 出来事
-
応神天皇11年
-
応神天皇13年3月
応神天皇に召される。
【日本書紀 巻第十 応神天皇十三年三月条】 -
応神天皇13年9月
【日本書紀 巻第十 応神天皇十三年九月中条】日向 からやってきた。
とりあえず桑津邑 に置かれた。皇子大鷦鷯尊後の仁徳天皇。は髪長媛を見て、その姿の美しさに感心して、常に恋心を持っていた。
天皇は大鷦鷯尊が髪長媛を気に入っていることを知ると、一緒にさせたいと思った。天皇は後宮での宴の日に、始めて髪長媛を呼んで、宴の席に侍らせた。
この時に大鷦鷯尊を指し招き、髪長媛を指して歌を詠んだ。「
伊 奘 阿 藝 怒 珥 比 蘆 菟 彌 珥 比 蘆 菟 瀰 珥 和 餓 喩 區 瀰 智 珥 伽 愚 破 志 波 那 多 智 麼 那 辭 豆 曳 羅 波 比 等 未 那 等 利 保 菟 曳 波 等 利 委 餓 羅 辭 瀰 菟 愚 利 能 那 伽 菟 曳 能 府 保 語 茂 利 阿 伽 例 蘆 塢 等 咩 伊 奘 佐 伽 麼 曳 那 」大鷦鷯尊は御歌を賜り、髪長媛を賜ったことを知ると、大いに喜んで返歌した。
「
瀰 豆 多 摩 蘆 豫 佐 瀰 能 伊 戒 珥 奴 那 波 區 利 破 陪 鷄 區 辭 羅 珥 委 愚 比 菟 區 伽 破 摩 多 曳 能 比 辭 餓 羅 能 佐 辭 鷄 區 辭 羅 珥 阿 餓 許 居 呂 辭 伊 夜 于 古 珥 辭 氐 」
大鷦鷯尊と髪長媛は既に慇懃を重ねていた。
髪長媛に対して歌を詠んだ。「
彌 知 能 之 利 古 破 儾 塢 等 綿 塢 伽 未 能 語 等 枳 虛 曳 之 介 迺 阿 比 摩 區 羅 摩 區 」また歌を詠んだ。
「
瀰 知 能 之 利 古 波 儾 塢 等 綿 阿 羅 素 破 儒 泥 辭 區 塢 之 叙 于 蘆 波 辭 瀰 茂 布 」出典である九月中条の中は中旬の意。-
日向 の諸県君牛は朝廷に仕えていたが、年既に老いて仕えることが出来なくなった。
それで申し出て本国に帰ることになった。そこで女 の髪長媛を奉った。始めて播磨に至った。時に天皇が淡路島に行幸して狩りをした。
【日本書紀 巻第十 応神天皇十三年九月中条 一云】
天皇がふと西を望むと、数十の大鹿が海に浮かんでやって来た。そして播磨の鹿子水門 に入った。
天皇は側の者に「あれはなんの大鹿だ。大海に浮かんで沢山やって来るが」と言った。
側の者も怪しみ、使いを遣わして確認させると、すべて人だった。ただ角のついた鹿の皮を衣服としていただけだった。
そこで「誰であるか」と尋ねた。答えて「諸県君牛です。年老いてお仕えすることは出来なくなりましたが、朝廷を忘れられません。それで私の女の髪長媛を奉ります」と。
天皇は喜んで、召して御船に乗せた。
時の人はその岸についたところを名付けて鹿子水門といった。
およそ水手 を鹿子 というのは、このとき初めて起ったという。 -
天皇は
日向国 の諸県君 の女の髪長比売の容姿が美しいと聞いて、使いを出して召し上げた。
この時に、その太子大雀命が、その少女が難波津 に泊っているのを見て、その端正な容姿に感心した。
そしてすぐに建内宿禰大臣に「この日向から召し上げた髪長比売を、天皇の御許 にお願い申し上げて、私に賜るようにしてくれ」と言った。
そこで建内宿禰大臣が天皇に許しを請うと、天皇はただちに髪長比売をその御子に賜った。賜ったときの状況は、天皇が宴会を催した日に、髪長比売に大御酒を盛る柏の葉を握らせて、その太子に賜らせて、御歌を詠んだ。
「
伊 邪 古 杼 母 怒 毘 流 都 美 邇 比 流 都 美 邇 和 賀 由 久 美 知 能 迦 具 波 斯 波 那 多 知 婆 那 波 本 都 延 波 登 理 韋 賀 良 斯 志 豆 延 波 比 登 登 理 賀 良 斯 美 都 具 理 能 那 迦 都 延 能 本 都 毛 理 阿 加 良 袁 登 賣 袁 伊 邪 佐 佐 婆 余 良 斯 那 」また御歌を詠んだ。
「
美 豆 多 麻 流 余 佐 美 能 伊 氣 能 韋 具 比 宇 知 賀 佐 斯 祁 流 斯 良 邇 奴 那 波 久 理 波 閇 祁 久 斯 良 邇 和 賀 許 許 呂 志 叙 伊 夜 袁 許 邇 斯 弖 伊 麻 叙 久 夜 斯 岐 」このように歌詠みして賜わった。
それでその少女を賜った後に、太子が歌を詠んだ。
「
美 知 能 斯 理 古 波 陀 袁 登 賣 袁 迦 微 能 碁 登 岐 許 延 斯 迦 杼 母 阿 比 麻 久 良 麻 久 」また歌を詠んだ。
「
【古事記 中巻 応神天皇段】美 知 能 斯 理 古 波 陀 袁 登 賣 波 阿 良 蘇 波 受 泥 斯 久 袁 斯 叙 母 宇 流 波 志 美 意 母 布 」
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仁徳天皇2年3月8日
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- 関連
日向泉長媛 本人の名といい、娘の名といい、共通部分がある。