建御名方神
- 名前
- 建御名方神【古事記】(たけみなかたのかみ)建御名方神
- 性別
- 男神
- 父
大国主神 【古事記 上巻, 先代旧事本紀 巻第四 地祇本紀】
- 母
高志沼河姫 【先代旧事本紀 巻第四 地祇本紀】
- 先祖
- 出来事
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建御雷神と天鳥船神の二神は、
出雲国 の伊那佐 の小浜に降り着くと、十掬剣 を抜いて、逆さまに波頭に刺し立てて、趺坐その剣の先にあぐらをかいて、その大国主神に「天照大御神と高木神の仰せによって、そなたを尋ねるためにお遣わしになった。『お前が治める葦原中国 は、我が御子が治めるべき国である』との仰せである。そなたの心は如何であるか」と尋ねると、「私には分かりません。我が子の八重言代主神であればお答えが出来るでしょう。しかし鳥狩りや魚を取るために、御大 の岬に行って、まだ帰って来ておりません」と答えた。
それで天鳥船神を遣わして、八重事代主神を呼び寄せて尋ねると、その父の大神に「畏まりました。この国は天神の御子に奉りましょう」と言って、その船を踏み傾け、天の逆手を打って青柴垣に変えて隠れた。それでその大国主神に「今、そなたの子の事代主神がこのように申した。他に意見する子はあるか」と尋ねると、「他に我が子の建御名方神がおります。これ以外にはおりません」と答えた。
【古事記 上巻】
このように言う間に、その建御名方神が千引石 を手の先にささげてやって来て言うには、「誰だ。我が国に来て、こそこそと物を言うのは。それでは力競べをしようでははないか。まず私が先にそのお手を取ろう」と。それですぐさまその手を取ったが、氷柱に変化し、また剣の刃に変化してしまい、それで怖じて退いた。今度はその建御名方神の手を取ろうと反対に所望して、若い葦を掴むように握りつぶして投げ捨てると、すぐに逃げ去った。
それで追いかけて、科野国 の州羽海 まで追い詰めて、まさに殺そうとしたとき、建御名方神は「恐れ入りました。私を殺さないでください。この地を離れては、他所には行きません。また我が父大国主神の命令を違えません。八重事代主神の言葉も違えません。この葦原中国 は、天神の御子のお言葉に従って献上致します」と言った。
それでまた帰って来て、その大国主神に「お前の子の事代主神と建御名方神の二神は、天神の御子のお言葉に従って違えないと申した。それでお前の心はどうなのか」と尋ねると、「我が子ら二神の言葉の通りに、私も違えません。この葦原中国 は、お言葉に従って献上致します。ただ私の住む所は、天神の御子が皇位をお継ぎになる立派な宮殿のように、地底の盤石に宮柱を太く立てて、高天原に届くほどに千木を高くしてお治め賜れば、私は遠い遠い片隅の国に隠遁致しましょう。また我が子ら百八十の神は、八重事代主神が率先してお仕え奉れば、違える神はいないでしょう」と答えた。-
信濃国の
【先代旧事本紀 巻第四 地祇本紀】諏方郡 の諏方神社 に鎮座している。
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