住吉三神

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名前
  • 住吉三神【古語拾遺】(すみよしさんじん, すみのえのおおかみ, す𛀁おほか)住吉三神
  • 墨江之三前大神【古事記】(すみのえのみまえのおおかみ, す𛀁おほか)墨江之三前大神
  • 住吉大神【日本書紀】(すみのえのおおかみ, す𛀁おほか)住吉大神
  • 墨江大神【古事記】(すみのえのおおかみ, す𛀁おほか)墨江大神
  • 住吉三前神【先代旧事本紀】(すみのえのみまえのかみ, す𛀁)住吉三前神
  • 住吉三所前神校異【先代旧事本紀】(すみのえのみところのまえのかみ, す𛀁)住吉三所前神
構成
出来事
  • 底筒之男命中筒之男命上筒之男命の三柱の神は、墨江之三前大神である。

    【古事記 上巻】
  • 仲哀天皇筑紫(つくし)訶志比宮(かしひのみや)にて、熊曽国を討とうとする時、天皇は御琴を弾き、建内宿禰大臣沙庭(さにわ)神託を受けるために忌み清めた祭場で神託を請うた。
    すると神功皇后に神懸かり、教えて言うには「西方に国がある。金銀をはじめ、目の眩むような様々な珍宝がその国には多くある。私が今その国を帰順させて賜ろう」と。
    天皇は答えて「高地に登って西方を見ても国は見えず、ただ大海があるのみです」と言い、詐りを言う神だと思って、御琴をどけて弾くのをやめて黙っていた。
    するとその神が大いに怒って言うには「凡そこの天下は、お前の治める国ではない。お前はただ一つの道に行きなさい」と。
    そこで建内宿禰大臣が「恐れ多いことで御座います。やはりその大御琴をお弾きなさいませ」と言ったので、そろそろと御琴を取り、しぶしぶ弾いた。
    それほど時が経たないうちに御琴の音が聞こえなくなった。すぐに火を点して見てみると、すでに崩じていた。

    それで驚き恐れて、殯宮に遺体を移すと、国中の大幣(おおぬさ)を集めて、生剥(いけはぎ)逆剥(さかはぎ)阿離(あはなち)溝埋(みぞうめ)屎戸(くそへ)上通下通婚(おやこたわけ)馬婚(うまたわけ)牛婚(うしたわけ)鷄婚(とりたわけ)犬婚(いぬたわけ)などの罪の類を様々求めて、国をあげて大祓(おおはらえ)を行った。

    また建内宿禰が沙庭で神託を請うた。ここでの教えは先日と同じで、「凡そこの国は、あなた様神功皇后の御腹にあらせられる御子がお治めになられる国で御座います」と。
    建内宿禰が「恐れ入りました。我が大神よ。その神の御腹にあらせられる御子は、何れの御子でしょうか」と尋ねると、「男子である」と答えた。
    さらに詳しく請うて「今教えて頂いた大神の御名を伺いたいと存じます」と。
    答えて「これは天照大神の御心である。また底筒男中筒男上筒男の三柱の大神である。今まことにその国を求めようと思うのであれば、天つ神と国つ神、また山の神、河・海の諸々の神に、悉く幣帛(みてぐら)を奉り、我が御魂を船上に祭って、真木の灰を(ひさご)に入れ、また箸と葉盤(ひらで)を多く作り、それら全てを大海に散らし浮かべて渡りなさい」と。

    それで教えに従って、軍を整え、船を並べて海を渡る時、海原の魚が大小問わず御船を背負って渡った。追い風が大いに起こり、船は浪に従って進んだ。
    それでその御船の波は新羅の国に押し上がって、すでに国の半ばに至った。
    するとその国の王が恐れ畏まって言うには「今後は天皇の御命令に従い、御馬甘(みまかい)となって、毎年船を並べて、船の腹を乾かすことなく、(さお)(かじ)を乾かすことなく、天地が存在する限り、止むことなくお仕え奉ります」と。
    それで新羅国は御馬甘と定めて、百済国は渡りの屯家(みやけ)と定めた。
    そこでその御杖を新羅の国主の門に突き立て、墨江大神の荒御魂を、国の守り神として鎮め祭り、海を渡って還った。

    【古事記 中巻 仲哀天皇段】
    • 磐余稚桜朝(いわれのわかざくらのみかど)、住吉大神が顕れた。

      【古語拾遺 神功皇后段】