倭建命が相武国に到着すると、その国造が偽って「この野の中に大きな沼があります。この沼の中に住む神は、ひどく凶暴な神でございます」と言った。
それでその神を見るために野の中に入った。するとその国造が野に火をつけた。
欺かれたことを知ると、姨の倭比売命から給わった嚢の口を解いて見た。すると火打ちの石と金があった。
そこでまずその刀で草を刈り払い、その火打ちで火を打ち出し、向い火を点けて焼き退けた。
帰還してその国造らを皆斬り殺した。そして火を点けて焼いた。それで今でも焼遣校異:焼津・焼遺という。
【古事記 中巻 景行天皇段】