彦主人王は振媛の容姿が甚だ端麗であることを聞いて、近江国の高島郡(たかしまのこおり)の三尾(みお)の別邸から使いを遣わして三国(みくに)の坂中井(さかない)に迎えて召し入れて妃とした。そして天皇が産まれた。
天皇が幼年の頃に父王は薨じた。