弟磯城

  • twitterでツイートする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
名前
  • 弟磯城【日本書紀】(お)弟磯城
  • 弟師木【古事記】(お
  • 黑速【日本書紀】(くろはや)黒速
  • 弟磯城黑速【先代旧事本紀】(おくろはや)弟磯城黒速
生年月日
( ~ 戊午年11月7日)
没年月日
(神武天皇2年2月2日 ~ )
出来事
  • 戊午年11月7日

    皇軍は大挙して磯城彦(しきひこ)を攻めようとした。
    まず使者を遣わして兄磯城を呼んだ。兄磯城命は応じなかった。
    さらに頭八咫烏を遣わした。烏はその軍営に着くと「天神の子がお前をお呼びだ。さあ、さあ」と鳴いた。
    兄磯城は怒り、「天圧神(あめのおすかみ)が来たと聞いて憤っているときに、なぜこんなに悪く鳴くのか」と言った。そして弓を引いて射たが、烏は去っていった。
    次に弟磯城の家に着くと「天神の御子がお前をお呼びだ。さあ、さあ」と鳴いた。
    弟磯城は恐懼して「私は天圧神がお出でになったと聞いて、朝夕恐懼しております。烏よ。お前が鳴くのは善いことだ」と言うと、葉盤八枚(ひらでやつ)を作り、食物を盛って饗した。そして烏に従って到着すると「私の兄の兄磯城は天神の御子がお出でになると聞いて、八十梟帥(やそたける)を集めて武具を整え、まさに戦おうとしています。速やかに準備するべきです」と言った。
    諸将を集めて「兄磯城はやはり逆賊の心があり、呼んでも来ない。どうすればよいか」と問うた。
    諸将は「兄磯城は悪知恵が働く賊です。まず弟磯城を遣わして諭させ、あわせて兄倉下弟倉下に説かせてください。それでも帰順しないのであれば、それから挙兵しても遅くはありません」と答えた。
    そこで弟磯城を遣わして利害を示したが、兄磯城らは愚かにも謀を守り、承伏しなかった。

    【日本書紀 巻第三 神武天皇即位前紀 戊午年十一月己巳条】
  • 神武天皇2年2月2日

    神武東征の功により、磯城県主(しきのあがたぬし)に任ぜられる。

    【日本書紀 巻第三 神武天皇二年二月乙巳条】
    • 神武天皇2年2月2日

      弟磯城黒速に詔して「お前は兄磯城が逆賊の首領であると申した勇気があった。よって子孫を磯城県主(しきのあがたぬし)とする」と。

      【先代旧事本紀 巻第七 天皇本紀 神武天皇二年二月乙巳条】