智尊

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名前
  • 智尊【日本書紀】(ちそん)
没年月日
天武天皇元年7月22日
出来事
  • 天武天皇元年7月22日

    吉野方の村国男依らが瀬田(せた)に至る。

    時に大友皇子は群臣らと共に橋の西に大きな陣営を構えた。その後方が見えない程であった。

    旗旘(はた)は野を隠し、埃塵(ちり)は天に連なった。
    鉦鼓(かねつづみ)の音は数十里先まで聞こえ、弩の列からは雨のように矢が乱発された。
    その将智尊は精兵を率いて先鋒として防いだ。
    そして橋の中を三丈ばかり切断して長板を置き、もしも板を踏んで渡ろうとする者あれば板を引いて落そうとした。
    こにより進撃出来ずにいた。

    有勇な士がいて大分君稚臣といった。
    長矛を棄てて(よろい)を重ね着すると、刀を抜いて急いで板を踏んで渡った。
    そして板に繋がった綱を斬り、矢を受けながら陣に突入した。

    軍勢は乱れて逃走した。
    将軍智尊は刀を抜き、退く者を斬ったが止めることは出来なかった。
    智尊は橋の側で斬られた。

    【日本書紀 巻第二十八 天武天皇元年七月辛亥条】