用明天皇は病にかかり宮に還った。群臣が侍った。
天皇は群臣に詔して「朕は三宝に帰依しようと思う。卿らも議るように」と。群臣は入朝して議った。
物部守屋大連と中臣勝海連が詔を違えて言うには「どうして国つ神に背いて他の神を敬うことがあろうか。元来このようなことは聞いたことが無い」と。
蘇我馬子宿禰大臣が言うには「詔に従って助け奉るべきである。誰が異なる考えを生じようか」と。
皇弟皇子は豊国法師を連れて内裏に入った。
物部守屋大連は横目で睨んで激怒した。
【日本書紀 巻第二十一 用明天皇二年四月丙子条】