熊野高倉下
- 名前
- 熊野高倉下【日本書紀】(くまののたかくらじ)
- 高倉下【日本書紀】(たかくらじ)
- 高倉【日本書紀】(たかくら)
- 熊野之高倉下【古事記】(くまののたかくらじ)
- 高倉下命天香語山命の別名と書いてある。【先代旧事本紀】(たかくらじのみこと)
- 生年月日
- ( ~ 戊午年6月23日)
- 没年月日
- (戊午年6月23日 ~ )
- 出来事
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戊午年6月23日
神武天皇の東征中に、皇軍は毒気により振わなかった。
【日本書紀 巻第三 神武天皇即位前紀 戊午年六月丁巳条】
そこにある人がいた。名を熊野高倉下という。その夜に夢を見て、天照大神が武甕雷神に「葦原中国は騒がしいと聞くので、お前が往って征しなさい」と言った。武甕雷神は「私が行かずとも、私が国を平らげた剣を下せば、自ずから平らぎましょう」と答えた。天照大神は「もっともである」と言った。
そこで武甕雷神は高倉に「我が剣、名は韴霊 韴靈。此云赴屠能瀰哆磨。という。これをお前の倉の中に置くので、それを取って天孫に献上しなさい」と言った。
高倉は「承知しました」と言って目が覚めた。
翌朝、夢の教えのままに倉を開けて見ると、果たして剣があり、逆さまに倉の床に立っていた。これを取って天皇に奉った。
時に天皇は寝ていたが、忽ち目を覚まして「何故こんなにも長く眠っていたのだろう」と言った。また毒に当たっていた兵卒も目覚めた。-
熊野之高倉下が一ふりの太刀を持ち、天つ神の御子の伏した所にやって来て献上した。すると天つ神の御子は起き上がって「長いこと寝ていたなぁ」と言った。太刀を受け取ると、熊野山の荒ぶる神は自ずと皆切り倒された。そして兵士もみな正気を取り戻して起き上がった。
【古事記 中巻 神武天皇段】
そこで天つ神の御子が太刀を手に入れたわけを聞くと、高倉下は「夢の中で天照大神と高木神の命令で、建御雷神をお召しになり、『葦原中国はひどく騒然としているようだ。我が御子達は病んで伏している。葦原中国はお前が服従させた国である。お前建御雷神が降るべきである』と仰せになりました。すると『私が降らなくても、その国を平らげた太刀があります。この刀を降しましょう』とお答えになりました(この刀の名は佐士布都神 。またの名を甕布都神 。またの名を布都御魂 という。この刀は石上 神宮にある)。そこで建御雷神は『この刀を降す方法は、高倉下の倉の棟を穿って、そこから落とそう。だから朝お目覚めになったら、お前が天つ神の御子に献上しなさい』と仰せになりました。そこで夢の教えに従って倉を見ると、たしかに太刀がありました。それでこの太刀を献上するのです」と言った。
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高倉下に勅して、褒めて侍臣とした。
【先代旧事本紀 巻第五 天孫本紀】
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- 関連
天香語山命 先代旧事本紀では同一人物としている。【先代旧事本紀 巻第五 天孫本紀】