秦大津父
- 名前
- 秦大津父【日本書紀】(はたのおおつち, はたのおほつち)
- 出来事
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欽明天皇が幼い時に、継体天皇の夢に人が現れて「天皇が秦大津父という者を寵愛なされば、壮年に至り必ず天下を治めることになります」と言った。
驚いて目を覚まし、使いを遣わして探させると山背国の紀伊郡の深草里で得た。
姓字は果して夢のとおりであった。
喜びが身に満ちて、珍しい夢に感嘆した。
そして「お前に何事かあったか」と言うと、答えて「ございません。ただ私が伊勢に行き商いして帰るときに、山で二匹の狼が争って血に塗れていることろに遭遇しました。それで馬から降りて口と手を洗い、『あなたは貴き神で、荒い行いを好みます。もし狩人に逢えばすぐに捕えられてしまうでしょう』と言いました。そして争うのを止めて血塗られた毛を洗って逃してやり、共に命を助けました」と言った。
天皇は「きっとこの報せであろう」と言った。
そして近くに侍らせて優遇した。それで大いに饒富を致した。欽明天皇践祚に至り、
【日本書紀 巻第十九 欽明天皇即位前紀】大蔵省 に就けた。 -
欽明天皇元年8月
秦人・漢人ら隣国から帰化した者を集めて国・郡に置いて戸籍に入れた。
【日本書紀 巻第十九 欽明天皇元年八月条】
秦人の戸数は惣七千五十三戸。
大蔵掾即位前紀に見える秦大津父を指すか。を以って秦伴造 とした。
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