履中天皇3年11月6日
履中天皇は両枝船(ふたまたぶね)を磐余市磯池(いわれのいちしのいけ)に浮かべた。 皇妃とそれぞれ分乗して遊んだ。 膳臣余磯が酒を献上した。時に桜の花が盃に落ちた。 天皇は怪しんで、物部長真胆連を呼んで「この花は咲くべき時期でないのにやってきた。どこの花であろうか。お前が探してきなさい」と詔した。 長真胆連は独り花を尋ね、掖上(わきのかみ)の室山(むろのやま)で手に入れて献上した。 天皇はその珍しさを喜んで宮の名とした。 それで磐余稚桜宮(いわれのわかさくらのみや)というのは、これがそのもとである。
この日、稚桜部臣(わかさくらべのおみ)の姓を賜る。